皆さん、こんにちは!ゆでたまです
今回は万博飯番外編として熱中症対策を以下に記載いたします!
ここからは実際に熱中症の患者さん対応をしている医師に書いてもらったので、バトンタッチします~
ますます盛り上がる大阪・関西万博!世界中の文化や技術に触れられるこの機会を、心待ちにしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、大阪の夏は35℃を超える日も多く、熱中症には注意が必要です。
今回は、万博を安全に、そして最大限に楽しむための、熱中症の予防と対策についてまとめました。
熱中症はなぜ起こる?ー3つのリスク要因
熱中症は、「環境」 「からだ」 「行動」の3つの要因が重なることで発生しやすくなります。

東京都中央区ホームページより(https://www.city.chuo.lg.jp/a0031/20230601.html)
<環境>
「気温や湿度が高い」、「風が弱い」、「日差しが強い」といった条件で体内に熱がこもりやすくなります。また、急に暑くなった日は体が暑さに慣れていないため、特に注意が必要です。
指標として参考になるのが環境省が公表している暑さ指数です(https://www.wbgt.env.go.jp/wbgt_data.php)。
暑さ指数は、①湿度、 ②日射・輻射など周辺の熱環境、 ③気温の3つを取り入れた指標です。 28を超えると熱中症患者が著しく増加することが分かっています(それ以下でももちろん注意が必要です)。
ただし、万博のようなイベントでは条件によっていっそう厳しい暑熱環境になることもあります。
万博会場の暑さ指数は公式HPの「今週の万博」⇒「気象・安全情報はこちらから~」のPDFファイルから確認することができます
(ちなみに6月29日は大阪の暑さ指数は28.4にも関わらず、万博会場では31でした)。


<からだ>
以下の方は熱中症になりやすく注意が必要です。
- 高齢者、乳幼児、肥満::体温調節機能が低下しています
- 持病(糖尿病、心臓病、精神疾患など):体力が低下していたり、薬の影響があります。
- 低栄養状態、脱水状態::体に必要な水分や塩分の不足がリスクです。
- 体調不良(二日酔い、寝不足など):体力が低下しています。
<行動>
- 慣れない運動: 万博では普段よりたくさん歩きます。体温が急激に上昇し、発汗量も増えます。
- 長時間の屋外作業:屋外で待つパビリオンもあります。長時間炎天下にいると危険です。
- 水分補給がしにくい:水分補給を怠ると、脱水状態になります。
事前の準備が肝心!来場前からできる熱中症対策
前日からの対策
- 十分な睡眠時間を確保しましょう
- お酒の飲みすぎには注意しましょう
- 風邪気味など体調がすぐれない場合は無理せず予定を変更しましょう
当日の準備リスト
- 涼しい服装
- 速乾性のある素材や、風通しの良い服装を選びましょう。
- 帽子や日傘もあるとよいでしょう
- 十分な飲み物(2本持って、1本は凍らしてもよいかもしれません)
- マイボトル、水筒
- 塩分補給用のタブレットや飴
- タオル、ハンカチ
- 冷却シートやネッククーラー
- 小型の携帯扇風機
来場後の対策
- 計画的な行動を心掛けましょう
- 無理のないスケジュールを立てて、長時間の屋外での活動は避けましょう
- 屋外を歩くときは、できるだけ木陰や日陰を選んで移動しましょう
- 屋内パビリオンをうまく活用して涼みましょう
- 15-30分に1度は休憩や水分摂取を行いましょう
- 塩分補給も意識しましょう(タブレットや経口補水液、スポーツドリンクなど)

夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020(環境省)より
万博での「危険エリア」 「休憩スポット」について
万博会場での「注意が必要な箇所」をみていきましょう。
- 人の滞留場所:入退場ゲート付近や、パビリオンの待機列など、人が密集する場所は、熱がこもりやすく注意が必要です。特に炎天下での待機は危険です。
- 風通しの悪い広場:開放的な空間でも、風通しが悪いと熱がこもりやすい場合があります。
これらの危険エリアでは、特にこまめな水分補給と休憩を意識してください。
「給水・自動販売機スポット」


万博公式HPより(https://www.expo2025.or.jp/officialblog/blog-20250627-01/)
休憩スポットの例
- 大屋根リング
- 日陰で風が吹き抜けており、いたるところにベンチがあります。給水機や自動販売機も多いです。
- 氷のクールスポット https://www.daikin.co.jp/press/2024/20240822
- オランダパビリオン前の「進歩の広場」にある木組み格子の休憩所。自然エネルギーを利用する空調システムで、木陰に入った時のような涼しさを感じられます。木のベンチには約30名が座れます。
- 森になる建築 https://www.takenaka.co.jp/expo2025/pickup/morininaru.html
- 「大地の広場」近くにある丸い形の休憩所。地中にパイプを通し、土の中で温度が下がった空気をベンチの下から取り込むことで、涼やかな空間を実現しています。
- バスを活用した休憩所
- EVバスを利用した休憩所がミャクミャクハウス横に設置されています。https://www.expo2025.or.jp/news/news-20250616-02/
- さらにオランダパビリオンとコモンズDの間にも、休憩用ラウンジバス「Green Park Bus」があります。https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000240.000095868.html
- いのちパーク
- 15分に1度約3分間、周りが見えなくなるくらい濃密なミストが噴き上がります。
- 三菱未来館
- 地下にある入館待機所の一部を休憩スペースとして開放しています。同館の来館予約をしていない人でも、入り口のスタッフに声をかければ、休憩することが可能です。
- 他にもたくさん休憩所があります。こちらのブログがよくまとまっています。https://ainoyamanoyu.com/expo-fes-rest/
日傘の貸し出しもあります!
(NTTパビリオン/オランダパビリオン/ノルディック・サークル/TECH WORLD/国際赤十字・赤新月運動館など)
熱中症かも?と思ったら
- 気分不良、めまい、筋肉痛、筋肉の硬直(こむら返り)、大量の発汗、頭痛、嘔吐などといった症状があれば熱中症を疑います。
- 呼びかけへの反応がない、おかしい状態であれば迷わず救急車を呼びましょう。
- この場合は無理に水を飲ませようとすると、窒息の危険があります。
- 涼しい場所へ移動し、服を緩めて身体を冷やしましょう。
- 可能なら水をかけて体温を下げましょう。難しい場合、氷や氷嚢等があれば、頚、脇、大腿の付け根などを冷やしましょう。氷水で冷やしたタオルをかぶせて体温で温まったタオルを次々に交換する方法もあります。(厚生労働省のyoutube:https://www.youtube.com/watch?v=WvNCfm9XSWsが分かりやすいです)
- 意識があり、応答が明瞭な場合
- 涼しい場所へ移動し、服を緩めて身体を冷やしましょう。
- 水分を自力で摂取できる場合は、塩分の入った経口補水液やスポーツドリンクを少しずつでよいので摂取してもらいましょう
- 自力でペットボトルの蓋が開けられなかったり、摂取できない場合は、医療機関を受診しましょう
- 自力で水分摂取を行い、症状が改善傾向であれば、そのまま休みましょう
- 症状が良くなってこない場合は、医療機関を受診しましょう
困ったら近くのスタッフや警備員に知らせましょう。
万博会場内には診療所3か所および応急手当所5か所が設置されています。

夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020(環境省)https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/gline/heatillness_guideline_full.pdf




『youtube:【職場における熱中症予防】2.応急手当と水道水撒布法』より抜粋 https://www.youtube.com/watch?v=WvNCfm9XSWs
いかがでしたでしょうか。
大阪・関西万博は一生に一度の大イベントです。
熱中症に気を付けながら存分に楽しんでください!
参考
万博HP「夏本番はもうそこまで!いま知っておきたい“万博を楽しむための「暑さ」対策”」https://www.expo2025.or.jp/officialblog/blog-20250627-01/
熱中症予防啓発ネットワーク 【2025年大阪万博】来場者ができる熱中症対策ガイド https://x.gd/mYB8q
夏季のイベントにおける熱中症対策ガイドライン2020(環境省)https://www.wbgt.env.go.jp/pdf/gline/heatillness_guideline_full.pdf
熱中症診療ガイドライン2024(日本救急医学会)https://www.jaam.jp/info/2024/files/20240725_2024.pdf
熱中症予防情報サイト(環境省) https://www.wbgt.env.go.jp/
youtube:【職場における熱中症予防】2.応急手当と水道水撒布法 https://www.youtube.com/watch?v=WvNCfm9XSWs
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